TRUE BLUE 501

デニム製品の色落ちや経年変化を紹介しています

リジッドから7年穿いたジーンズの色落ち STUDIO D'ARTISAN SD-103 経年変化

STUDIO D'ARTISAN SD-103 リベット

 

STUDIO D'ARTISANステュディオ・ダ・ルチザンのデニムパンツ、SD-103の色落ちを紹介します。

リジッドから7年くらい穿いたダルチのジーンズ

リジッド(未洗い)の新品を購入して、糊を落としてから穿いていました。現在販売されているモデルとは少し仕様が異なる旧モデルになります。糊落とし時のファーストウォッシュでコインランドリーのガス乾燥機を使用しています。乾燥機の使用はそのとき1回だけであとは洗濯後すべて天日干しです。

 

穿いていた期間は7年ほどですが、毎日穿いていたわけではありませんし、夏も穿くことはなかったので実際のところ1,000日穿いたのか700日なのか、時間にして10,000時間穿いたのか等は正確に記録をとっていないのでわかりません。

 

 

SD-103 色落ち全体前面

全体前面

糊を落としてから2回目に洗濯をするいわゆるセカンドウォッシュまでは2か月か3か月。その後は週1回、長くても2週間に1回は洗濯をしていたと思います。生機(きばた)のジーンズなので水を通すことによってねじれております。ほかのメーカーではねじれが生じないように計算して作られている生機のジーンズもあったりしますね。

 

 

SD-103 色落ち全体背面

全体背面

バイクに乗るときによく穿いていたので、まめに洗濯をしていた記憶があります。そのため、膝裏にできるハチノスと呼ばれるアタリはうっすらとしかついていません。自分の場合ではむしろハチノスがついているほうでしょう。トータルでは50回以上は洗っているかと。




SD-103 色落ち腰回り前面

腰回り前面

ステュディオ・ダ・ルチザンの定番生地である「SD-100」シリーズの中ではタイトストレートという位置づけのSD-103。体にフィットしてヒゲも付きやすかったのではないでしょうか。

 

SD-103 色落ち腰回り背面

腰回り背面

お尻はどのジーンズでも色落ちが進んでしまいます。

 

SD-103ヒップポケット周辺の色落ち

ヒップポケット周辺の色落ち

ヒップポケットの飾りステッチと右ポケット横の白タブが現行モデルとは異なります。

 

SD-103 隠しリベットのアタリ

隠しリベットのアタリ

隠しリベットがあることで、縫い糸とデニム生地の経糸が切れています。

 

ダルチザン白タブ

今はなき白タブ

SD-103革パッチ

豚がジーンズを引っ張るイラストの革パッチ

革パッチも現行モデルとは素材が違いますかね。

 

SD-103 ベルトループセンター

オフセットの真ん中のベルトループ

 

 

SD-103 コインポケットのリベットくすみ

コインポケットのリベットくすみ

 

SD-103リベットの経年劣化

リベットの経年劣化

 

ステュディオ・ダ・ルチザンのトップボタン

トップボタン

ボタンホールは手縫いでリペアしています。

 

SD-103 耳のアタリとタテ落ち

耳のアタリとタテ落ち

 

SD-103 耳のアタリとタテ落ち その2

 

アウトサイドシームのアタリもよく出ています。

 

SD-103 のヒゲ・色落ち

腰ヒゲ

 

 

AMETORA 日本がアメリカンスタイルを救った物語

アメトラという本にSTUDIO D'ARTISANを含めた大阪ファイブと呼ばれるレプリカジーンズの話も出てきて興味深かったです。

[rakuten:book:18144088:detail]

1970年代にデニムの製造をはじめた日本の繊維工場は、最初から近代的なスルザーのプロジェクタイル織機を使っていた。そのためこの国にはセルビッジ・デニムづくりの伝統がなく、最初のこころみがなされたのは1980年、ビッグジョンが布地の供給元だったクラボウに、通常は帆布づくりに使われる豊田の古いシャトル織機で、デニムをつくってほしいと依頼したときのことだった。次に同社はセルビッジ・デニムを、ビッグジョン・レア───輸入したタロンのジッパー、本物の銅リベット、そして伝統的な〝和紙〟製のラベルをフィーチャーした1本1万8000円もするジーンズの売りものにした。だが通常の3倍の値段がつけられたビッグジョン・レアはほとんど売れず、その失敗はほかの大手メーカーを、セルビッジ・デニムの実験から遠ざけることになった。代わりにクラボウは、古典的なアメリカ産デニム特有の手ざわりを再現することに、その技術力を注ぎこんだ。

(中略)

クラボウはまずムラ糸のデニムを、日本の市場ではなく、エヴー、シェビニオン、シピーといったフランスのライフスタイル・ブランドに売った。こうしたブランドの501に対するヨーロッパ大陸的なオマージュに、ムラのある日本製デニムはまさしくうってつけだった。するとこれらのフランス製ジーンズがきっかけになって、今度は日本人が古いジーンズのクローンをつくろうとしはじめた。ビンテージのコレクターだったファッション業界のベテラン、田垣繁晴は1980年代のはじめ、パリでジャン・シャルル・ドゥ・カステルバジャックとピエール・カルダンの仕事をしていた時期にフランスのデニム・ブランドに行き当たった。1985年に帰国した田垣は、ステュディオ・ダ・ルチザンというフランス語もどきの名前を持つブランドを設立し、戦前のモデルの真髄をとらえたプレミアムジーンズの製造に乗り出した。

(『AMETORA 日本がアメリカンスタイルを救った物語』「第9章 ビンテージとレプリカ Vintage and Replica」 デーヴィッド・マークス著 奥田祐士 訳より引用)

 

ダルチとドゥニームはフランス風、ウエアハウスとフルカウントは忠実再現、エヴィスは独自路線。山根氏の同じものなら誰でも作れるというのはさすがだなと。

 

 

ワンウォッシュ状態の生地と色を比較

裾上げした時のワンウォッシュした生地と色を比べてみます。

 

SD-103 チェーンステッチによる裾のアタリ

チェーンステッチによる裾のアタリ

穿き始めはかなり色が濃かったのがわかります。

 

SD-103 青耳

ダルチの青耳

100シリーズの青耳。生地は現行と同じものなのでしょうか?

 

チェーンステッチの裾

経糸が切れてきている

経糸が切れてダメージが出てきています。

 

15オンスの右綾デニム生地

 

 

 

 

 

 

 



【まとめ・感想】

毎日穿いていたわけではなかったので最初の2年くらいは色が濃い状態だったと記憶しています。その後、色落ちを意識せずに穿き続けていたらいつのまにか今のような状態になっていたという感じです。濃紺の色とシルエットが好みだったので自然とよく穿いていました。

よくダルチザンのジーンズは色落ちが遅いなどと言われていますが、実際のところはどうなのでしょう?他に穿いたことのあるジーンズと同じ条件で穿き比べできないのでわからないのですよね。染めが濃いので濃淡をつけやすいジーンズではあると思います。