リーバイス501 STFの色落ちレポートをメインに更新するつもりだが、同時にショップオリジナルジーンズも穿いているので紹介する。
1本のジーンズをずっと穿き続けるのは性に合っていないのでこれと501と日本のレプリカジーンズの3本穿きしている。これ以上本数が多いと色落ちのスピードも分散されるので3本程度が良いかと。時系列でいうと、今回紹介するフリークスストアのジーンズはリーバイス00501-0000の8か月ほど前から穿き始めている。何年もジーンズを色落ちさせることから遠ざかっていたが、再びジーンズを育てたいと思ったときに出会った1本である。
再びジーンズに目覚めたきっかけ
ある春の朝、私は寝惚け眼でベッドに腰を掛けた。ふと、自分の下半身を見るとパジャマのズボンに目を奪われた。土砂降りじゃないか。お漏らしをしたわけではない。見事にパジャマのズボンが縦落ちしているのである。(ただのボロ布)5シーズン以上は着用している春夏用パジャマだ。腿のところが白く色が抜けた布に見入り、無性にジーンズを穿きたくなった。以前はあんなにも熱心だったデニム製品への関心も薄れ、何年もまともにジーンズを穿いていなかったように思う。
すでにジーンズは穿ききれないほど所有しているのだが、新たに何かないだろうかと探し始めた。昔穿いたことのあるジーンズブランドや気になっていたブランド、初めて耳にするブランドなどいろいろと検討してみた。セルヴィッジのついた所謂コダワリのジーンズを。ただ、旧式の力織機で織ったレプリカジーンズといわれているものは過去に何本か着古したことがあるので、少し風変わりなモデルに目が行った。
それがFREAK'S STOREのショップオリジナルジーンズ、JAPANセルビッチデニムである。
ジーンズの商品説明
アイテム説明はショップの文章を引用する。
常よりも縦糸のテンションにゆとりをもたせ、旧式織機でゆっくりと時間をかけ丁寧に織ったセルヴィッチデニム通常のデニムよりもソフトで履き心地の良い風合いが特徴。リーバイスが日本で縫製されていた時代の主力工場である新見ソーイングセンターとの協業。ヴィンテージ仕様を多用しながらも、洗練されたイメージに仕上げられた縫製。縫製糸も経年変化をし、ヴィンテージデニムのようにピ ンクベージュに退色していくよう計算されたデザイン。ゆとりはありながらも、キレイなシルエットで履けるので、トップスは様々なテイストのものと相性抜群!シーズンレスで愛用できる一本です。
製品名では、セルビッチデニムだが、説明文はセルヴィッチデニムとなっている。私はカタカナの場合、セルヴィッジとも呼べるがどれがいいのかはわからない。selvage、selvedgeなのでセルヴェイジでもいいだろうか。
私自身、フリークスストアというショップに馴染みがなかったし、テラソンやオアスロウのジーンズを取り扱っているというくらいの認識しかなかった。BEAMSやUNITED ARROWS、SHIPSなどでも赤耳のセレクトショップオリジナルジーンズが販売されているから特段珍しいものでもない。ファストファッションでも耳付きのジーンズが買える時代なのだ。
2007年のリーバイスの訴訟以降、レプリカジーンズも下火となり、501XX(ダブルエックス)の完全再現という謳い文句も使えなくなってしまったからか、豊田のG3で織った生地、新見ソーイングセンターで縫製したジーンズというのも売り文句のひとつになったのであろう。リゾルトも新見ソーイングセンターで縫製されているのをセールスポイントにしている。ただ、自社工場のないほとんどのジーンズメーカーは、どこで生産しているかは公開していない。私が所有しているDenimeドゥニーム(オリゾンティ期)66モデルも新見ソーイングセンターで縫製されていたと林氏の著書、日本のジーパンを読んで知った。
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昔穿いていた日本製のLevi’s Vintage Clothingも新見ソーイングセンターで縫製されたものだろうか?
ディテール紹介
FREAK'S STORE JAPANセルビッチデニムの今までに穿いたことのないシルエットに惹かれ、穿き込んでみようと選んだ。ではディテールを見ていこう。
ワタリはゆったりしていて裾に向かって強烈にテーパードがかかっている。モンペのようなシルエットである。青みの強い生地で、一般的なレプリカジーンズのようなどす黒さはない。リジッド(未洗い)ではなくワンウォッシュで販売されていた。
股上は深い。ワンウォッシュで洗いがかかっているのでパッカリングがすでに出ている。生地は非常にソフトでやわらかく、織りムラ感がある。硬さはなく、スウェットパンツのような穿き心地である。
ウォッチポケットにリベットがない。トップボタンは月桂樹。大戦モデルのディテールを取り入れているようだ。ステッチはオレンジとイエローの2色使い。
大戦モデル風ではあるがボタンフライではなく、ジッパーフライ。隠しリベットがついている
ジップはTALON タロン42が使われている。
大戦モデルを思わせる簡略化された仕様。
既製品の月桂樹ボタン。大戦モデルでよく見られる仕様。
打ち抜きリベット
リベット裏はYKK SNAPFASTENERS。隠しリベット裏は無刻印。
ヒップポケット上部の縫い糸はイエロー。
新見ソーイングセンターで縫われたことを表すスタンプがスレーキに押されている。リゾルトのように布ではない。
チェーンステッチで仕上げられている。ワンウォッシュの段階ですでにうねり始めている。
セルヴィッジは赤耳である。商品説明によると縫製糸や耳の色も退色していくとのことである。
総評
うっすらと毛羽立ちがあり、ムラ感のある生地で雰囲気があり、気に入っている。何オンスかは表記されていないが、ライトオンスで10~12オンスくらいではないだろうか。501米国流通と同程度の気がする。シルエットは独特で、なにか名前があるのだろうか。太腿はゆとりがあり、裾はテーパードしている。まさにモンペだ。硬さはないのでヒゲはつけにくそうではあるが、穿き心地がよく、スウェットパンツ感覚で穿ける。色落ちうんぬんというより気軽に穿いていきたい1本である。
次回、1年穿いた経年変化レポート